いまさら聞けない!スペクトラムアナライザとネットワークアナライザの違い

信号を見るスペアナ vs 伝わり方を測るネットアナ ― 用途と役割を徹底比較
「スペアナとネットアナって何が違うの?」――計測器の導入を検討している方から、よくいただく質問です。どちらも“周波数”に関わる計測器なので、似ている印象を持たれがちですが、測定できる対象も得意な分野もまったく異なります。
実際の現場でも「スペアナで確認できると思っていたが、ネットアナでなければ分からなかった」「ネットアナを借りたが、やりたいのはスペクトラム解析だった」という勘違いは少なくありません。
スペクトラムアナライザとは
スペクトラムアナライザ(スペアナ)は、入力された信号を周波数ごとに分解して強度を表示する装置です。
- 用途例
- 通信機器が不要な電波を出していないかの確認
- 電源回路に混入するノイズの解析
- 変調信号の解析(FM/AMなど)
言い換えると、スペアナは「信号の中身を覗き見る装置」。音楽プレイヤーにある“グラフィックイコライザ”のように、どの周波数が強く出ているかを“見える化”します。
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ネットワークアナライザとは
一方、ネットワークアナライザ(ネットアナ)は「信号が物に当たったときの反射や伝送の特性」を測ります。
- 用途例
- アンテナのVSWR測定(反射の度合い)
- ケーブルやフィルタの伝送特性評価
- 高周波回路のインピーダンス特性確認
例えるなら「声をトンネルに向かって叫ぶと、どれくらい響くか・どれくらい奥まで届くか」を測る感覚です。高周波設計では50Ωマッチングが求められ、ネットアナが必須となります。
まとめ
- スペアナ:信号そのものを“見る”
- ネットアナ:信号の“伝わり方”を測る
この違いを理解することで、正しい機器選定ができます。さらに実際の機器例は 取扱実績カテゴリ をご覧ください。