HIOKI 3157:電気製品の安全を担保する「低抵抗・大電流」測定のスタンダード

〜最大30Aの定電流印加で、保護接地の信頼性を検証。安全規格適合に欠かせない専用機〜
なぜアースの測定に「大電流」が必要なのか?
電気製品の安全性を評価する上で、保護接地(アース)が確実にとられているかを確認することは、感電事故を防ぐための大前提です。
「導通を確認するだけなら、デジタルマルチメータで十分ではないか?」
そう考える方もいるかもしれません。しかし、国際的な安全規格(IEC 60335やIEC 60601など)では、アース線の太さや接続状態が「万が一の故障時に過電流を逃がせる能力があるか」を検証するため、通常25Aまたは30Aといった大電流を流した状態での抵抗値を測定するよう定めています。
この要求に応えるべく設計されたのが、日置電機(HIOKI)の保護導通試験器 3157です。
3157の核心:AC定電流印加方式
HIOKI 3157の最大の特徴は、最大30A(AC)の電流を安定して出力できる能力にあります。
- 定電流制御のメリット測定対象の抵抗値が変化しても、設定した電流値を維持して流し続けます。これにより、接触抵抗の変化に左右されず、安定した電圧降下から正確な抵抗値を算出できます。
- 低抵抗測定への特化測定範囲は $0$ 〜 $600 \text{ m} \Omega$ と非常に低く、数 $\text{m} \Omega$ 単位の微小な抵抗値を高い分解能で捉えます。これは、筐体のネジ止め箇所や配線接続部のわずかな緩みを見逃さないためです。
規格適合を支える4端子測定法
大電流を流して数 $\text{m} \Omega$ を測る際、最大の敵は「測定リード自体の抵抗」です。
- リード線の影響をキャンセル3157は4端子測定法を採用しています。電流を流すラインと電圧を検出するラインを分離することで、長い測定リードを使用した場合でも、その線抵抗による誤差を排除。純粋に「被測定物の接地抵抗」のみを正確に抽出します。
- 各種規格への準拠JIS、IEC、UL、VDEなど、国内外の主要な安全規格における保護導通試験(グランドボンドテスト)の要求仕様を網羅しています。
生産ラインから開発まで。実用性を追求したインターフェース
3157は、その操作性の良さから多くの製造現場で採用されています。
- シンプルなパス/フェイル判定あらかじめ設定した上限抵抗値に対し、合否判定(PASS/FAIL)を瞬時に行います。大型の表示パネルとブザー音により、作業者は迷うことなく検査を進められます。
- 外部制御と自動化への対応外部I/O端子を備えており、フットスイッチによる操作や、PLC(プログラマブルロジックコントローラ)と連動した自動検査ラインへの組み込みが容易です。
- 小型・軽量設計このクラスの試験器としてはコンパクトにまとめられており、実験ベンチの限られたスペースや、ラックマウント時でも場所を取りません。
中古導入における視点:安全性と信頼性のバランス
保護導通試験器は、製品が市場に出る前の「最後の砦」を確認する装置です。中古品として検討する際のポイントを整理します。
- 実績に裏打ちされた耐久性HIOKI 3157は長年市場で使われてきた「完成されたモデル」です。アナログ回路の堅牢性とデジタル制御の正確性がバランスよく組み合わされており、経年変化に対しても比較的安定した性能を維持しやすい特性があります。
- キャリブレーション(校正)の重要性安全試験器において最も重要なのは、その数値が正しいという保証です。R4Rでは、入荷した3157に対し、出力電流の安定性や抵抗値の読み取り精度の基本確認を行っています。規格試験に使用される場合は、出荷前の校正サービス(有償)と組み合わせることで、より確実な測定環境を構築いただけます。
- 導入コストの最適化生産ラインの増設や、予備機の確保が必要な際、実績ある3157を中古で選択することは、投資コストを抑えつつ規格準拠の品質を維持するための合理的な手段となります。
【まとめ】安全を「数値」で証明するために
日置電機 3157は、目に見えない「アースの信頼性」を大電流という厳しい条件で可視化する装置です。単なる導通チェックを超えた、規格レベルの安全評価を行うために、本機が提供する「30A定電流・4端子測定」の価値は、今後も変わることはありません。
電気製品の安全設計や品質管理において、確かな裏付けが欲しい。そのような場面で、3157は最も身近で信頼できるパートナーとなるはずです。
ご相談ベースでも歓迎です。
ご要望に合わせてご提案いたしますので、ぜひお気軽にご連絡ください。

