データロガー選びの基礎|サンプリング速度・絶縁入力・チャンネル数

「サンプリング速度が速ければいい」は間違い——用途から逆算する3つの選定基準
データロガーは、測りたい現象の速さからサンプリング間隔を決め、次に絶縁の必要性とチャンネル数を確認して選びます。多点・長時間測定では、入力種類と記録媒体、PC連携も運用性を左右します。
サンプリング速度を決める
サンプリングは「速いほどよい」わけではありません。温度のようなゆっくり変化する信号では秒単位でも十分な場合があり、機械・電気の急な変化を見る場合はms単位が必要になることがあります。
HIOKIのLR8450は最速1msで最大120ch、LR8450-01は最大330chの構成が可能です。一方、Graphtec GL860では使用チャンネル数に応じて設定可能な最短サンプリング間隔が変わります。つまり、必要な速度とチャンネル数はセットで確認する必要があります。
高速波形を観測するオシロスコープとの違いはデータロガーとオシロスコープの違いで比較しています。
絶縁入力を確認する
複数の異なる電位を同時に測定する場合、入力間や対地間の絶縁が重要です。HIOKIは多チャネルデータロガーについて、入力チャネルが筐体や他チャネルから絶縁され、高い対地間電圧に対応できる設計を説明しています。
バッテリー、インバータ、電源装置などでは各測定点の基準電位が異なる場合があります。絶縁のない入力を誤って接続すると測定誤差だけでなく安全上の問題につながるため、最大対地電圧とチャネル間定格を確認します。
チャンネル数と運用を決める
必要チャンネル数は現在の測定点だけでなく、温度・電圧・電流・ひずみなど今後追加するセンサも含めて検討します。HIOKIのようにモジュール追加で拡張するタイプと、Graphtecのように端子構成を拡張するタイプがあります。
| 確認項目 | 見るポイント |
|---|---|
| サンプリング | 現象の速さと全チャネル同時記録条件 |
| 絶縁 | チャネル間・対地間電圧 |
| チャンネル数 | 現在+将来の測定点 |
| 入力種類 | 電圧、熱電対、抵抗、ひずみ、CAN等 |
| 保存・通信 | SD/USB/LAN、PCリアルタイム収録 |
よくある質問
Q. サンプリングは最速に設定した方がよいですか?
A. データ量やノイズとのバランスがあります。測定対象の変化速度に必要な間隔を選びます。
Q. 絶縁入力はいつ必要ですか?
A. 複数の異なる電位や高い対地電圧を同時に測る場合に重要です。バッテリーやインバータ測定では特に確認します。
Q. チャンネル数が増えるとサンプリングは遅くなりますか?
A. 機種によります。GL860のように使用チャンネル数で最短間隔が変わる製品もあるため、仕様条件を確認します。
Q. 中古では何を確認すればよいですか?
A. 入力モジュール、端子台、対応センサ、メモリ、ソフトウェア、校正状態を確認します。
まとめ
データロガー選びは、サンプリング速度、絶縁入力、チャンネル数の3点から整理します。特に多チャネル機は、使用チャンネル数による速度条件や入力モジュール構成まで確認することが重要です。


