測定器の寿命を延ばすプロの技|今日からできるメンテナンスと保管方法

その不調、保管方法が原因かも?測定器の精度を守るための基本知識

その測定器、あなたの資産です。正しいお手入れ、できていますか?

研究開発や品質管理に欠かせない、高価な測定器。それは、皆様の会社や研究室にとって、非常に重要な「資産」です。

しかし、日々の業務の中で、そのメンテナンスや保管方法を意識する機会は意外と少ないのではないでしょうか。

不適切な扱いは、測定器の精度低下や突然の故障を招き、本来の寿命を大きく縮めてしまう原因となります。

この記事では、大切な測定器を一日でも長く、最高の状態で使い続けるための、プロが実践するメンテナンスと保管のコツを具体的にご紹介します。

作業前の数分が重要!トラブルを防ぐ「日常点検」の習慣

本格的なメンテナンスの前に、誰でも毎日できる最も重要な習慣が「使用前の簡易的な動作確認」です。この数分のひと手間が、測定中のトラブルを防ぎ、機器の異常を早期に発見するきっかけになります。

  • 基本は取扱説明書からまずは、メーカーの取扱説明書に記載されている「始業点検」や「簡易動作確認」の項目を実施しましょう。
  • 説明書がない場合は?中古品などで説明書が手元にない場合でも、最低限以下のポイントは確認する習慣をつけることを強くお勧めします。
    • コネクタ部の確認: 測定ケーブルなどを接続する部分に、グラつきやピンの折れ、汚れ、損傷がないかを目視で確認します。
    • ケーブル類の確認: ケーブルに断線や被覆の破れがないか、コネクタとの接続は確実かを確認します。接触不良は、測定エラーの大きな原因です。
    • ボタン・スイッチ類の確認: 電源スイッチや各種設定ボタン、ツマミが、物理的にスムーズに動作するかを確認します。

測定器は精密機械!精度を狂わせる「3つの大敵」と正しい保管環境

測定器は、私たちが思う以上にデリケートです。特に「温度・湿度」「ホコリ」「振動・磁気」は、精度を狂わせ、故障を引き起こす「3つの大敵」と言えます。

大敵①:急激な温度・湿度の変化

内部の電子部品は、温度や湿度の影響を大きく受けます。

  • 温度推奨:5℃〜35℃急激な温度変化の少ない、安定した場所が理想です。
  • 湿度推奨:40%RH〜70%RH(相対湿度)結露は内部回路のショートや腐食の原因となり、致命的な故障に繋がります。高温多湿な場所や、逆に極端に乾燥する場所は避けましょう。
大敵②:ホコリ

内部の冷却ファンや基板にホコリが溜まると、冷却効率が落ちて熱がこもり、熱暴走や部品の劣化を招きます。

  • 対策: 使用しない時は、必ず専用のケースに入れるか、カバーをかけて保管しましょう。通気口がホコリで塞がれていないか、定期的にチェックするのも有効です。
大敵③:振動・磁気・腐食性ガス
  • 対策: 大きな振動が伝わる場所や、強力な磁気が発生する大型モーターなどの近く、化学薬品を扱う場所での保管は絶対に避けてください。これらは内部の精密な機構や電子部品に悪影響を及ぼします。

本当のメンテナンスとは?1年に1度の「健康診断(校正)」のススメ

日々の点検や清掃も非常に重要ですが、それだけでは測定器が持つ「精度の正しさ」を保証することはできません。

  • メーカーも推奨する定期的な校正測定器は、たとえ使っていなくても、時間の経過とともに少しずつ精度がズレていきます。そのため、多くのメーカーは1年に1回程度の定期的な「校正」を推奨しています。
  • 校正は「測定器の健康診断」校正とは、測定器の現在の精度が、国家標準に繋がるより正確な基準に対してどれだけズレているかを確認する、いわば「測定器の健康診断」です。この健康診断を定期的に行うことで、常に信頼できる測定結果を得ることができ、品質の高い製品開発や研究に繋がります。

購入後も安心。R4Rのワンストップサポート

R4Rは、中古測定器を販売して終わり、ではありません。お客様が安心して長くお使いいただけるよう、購入後のサポートにも力を入れています。

「この測定器のメンテナンスで特に気をつけることは?」

「校正はどこに頼めばいいの?」

「最近、少し動作がおかしい気がする…」

といったご相談も、喜んでお受けいたします。

私たちは、お客様の測定器に関するあらゆる「困った」を解決するパートナーとして、販売から校正、メンテナンスのご相談まで、ワンストップで対応いたします。

【まとめ】

測定器の寿命を延ばし、常に最高のパフォーマンスを引き出す秘訣は、「①使用前の日常点検」「②正しい環境での保管」「③定期的な校正」という3つの習慣にあります。

大切な資産である測定器を長く活用するために、今日からできることから始めてみませんか。

メンテナンスや校正でお困りの際は、ぜひ一度、私たちR4Rにご相談ください。