いまさら聞けない!スペクトラムアナライザとネットワークアナライザの違い

信号を見るスペアナ vs 伝わり方を測るネットアナ ― 用途と役割を徹底比較

信号を見るスペアナ vs 伝わり方を測るネットアナ ― 用途と役割を徹底比較

「スペアナとネットアナって何が違うの?」――計測器の導入を検討している方から、よくいただく質問です。どちらも“周波数”に関わる計測器なので、似ている印象を持たれがちですが、測定できる対象も得意な分野もまったく異なります

実際の現場でも「スペアナで確認できると思っていたが、ネットアナでなければ分からなかった」「ネットアナを借りたが、やりたいのはスペクトラム解析だった」という勘違いは少なくありません。


スペクトラムアナライザとは

スペクトラムアナライザ(スペアナ)は、入力された信号を周波数ごとに分解して強度を表示する装置です。

  • 用途例
    • 通信機器が不要な電波を出していないかの確認
    • 電源回路に混入するノイズの解析
    • 変調信号の解析(FM/AMなど)

言い換えると、スペアナは「信号の中身を覗き見る装置」。音楽プレイヤーにある“グラフィックイコライザ”のように、どの周波数が強く出ているかを“見える化”します。

👉 実績紹介:当社では ADVANTEST R3267 スペクトラムアナライザ を取扱実績としてご紹介しています。


ネットワークアナライザとは

一方、ネットワークアナライザ(ネットアナ)は「信号が物に当たったときの反射や伝送の特性」を測ります。

  • 用途例
    • アンテナのVSWR測定(反射の度合い)
    • ケーブルやフィルタの伝送特性評価
    • 高周波回路のインピーダンス特性確認

例えるなら「声をトンネルに向かって叫ぶと、どれくらい響くか・どれくらい奥まで届くか」を測る感覚です。高周波設計では50Ωマッチングが求められ、ネットアナが必須となります。


まとめ

  • スペアナ:信号そのものを“見る”
  • ネットアナ:信号の“伝わり方”を測る

この違いを理解することで、正しい機器選定ができます。さらに実際の機器例は 取扱実績カテゴリ をご覧ください。