いまさら聞けない!LCRメータで測定結果が安定しない理由とその解決法

〜正確な値を得るための「5つのチェックポイント」と基本の作法〜
「あれ、さっきと値が違う…」LCR測定のイライラを解消する
LCRメータを使っていて、こんな経験はありませんか?
- 「表示される数値がパラパラと動いて定まらない」
- 「測定するたびに、あるいは測定者によって値が微妙に変わる」
- 「データシートの値と大きくかけ離れている気がするが、原因がわからない」
LCRメータは、コンデンサやコイルの微細なインピーダンスを測る非常にデリケートな装置です。実は、測定値が安定しない原因の多くは、本体の故障ではなく「測定の作法」や「環境」にあります。
この記事では、いまさら人には聞きにくい「測定を安定させるための5つのチェックポイント」を分かりやすく解説します。
基本中の基本:補正(オープン・ショート補正)を忘れていませんか?
LCRメータを使う際、最も重要で、かつ最も忘れられがちなのが「補正」です。
- なぜ必要なのか?測定に使用するテストリードやフィクスチャには、それ自身にわずかな抵抗成分や浮遊容量が含まれています。補正を行わないと、これらの「余計な成分」まで一緒に測ってしまいます。
- 解決策:
- オープン補正: 端子を開放した状態で、端子間の浮遊容量をキャンセルします。
- ショート補正: 端子を短絡(ショート)させ、リード線の残留抵抗やインダクタンスをキャンセルします。
ポイント: 測定周波数を変更した際や、フィクスチャの種類を変えた際は、必ずその都度補正をやり直しましょう。これだけで安定感が劇的に変わります。
接続の罠:接触抵抗と「4端子測定」の威力
「2端子」のハンディタイプなどで低い抵抗値を測ろうとすると、値が安定しないことがよくあります。
- 原因は「接触抵抗」:端子と部品の接触部で発生するわずかな抵抗(接触抵抗)が、測定値に乗ってしまいます。特に $1 \Omega$ 以下の低インピーダンス測定では、この影響が無視できません。
- 解決策:高精度な測定が必要な場合は、「4端子法(ケルビン接続)」に対応したデスクトップ型のLCRメータと専用フィクスチャを使用してください。電流を流す線と電圧を測る線を分離することで、接触抵抗の影響を完全に排除し、極めて安定した測定が可能になります。
測定条件の不一致:周波数と電圧(レベル)を確認する
部品(特にコンデンサ)は、かける電圧や周波数によってその値が変化する性質を持っています。
- 原因:例えば、積層セラミックコンデンサ(MLCC)は、測定電圧(信号レベル)によって容量が変わります。データシートに記載されている測定条件(例:1kHz, 1Vrms)と、メータの設定がズレていると、当然値は安定しません。
- 解決策:測定対象のデータシートを確認し、指定された「測定周波数」と「測定信号レベル」に設定を合わせましょう。
外乱ノイズ:シールドと配置の重要性
微小な電流を扱う測定では、周囲の電気的ノイズの影響を強く受けます。
- 原因:近くにあるAC電源、蛍光灯、あるいは測定者の体がアンテナとなってノイズを拾い、値がふらつく原因になります。
- 解決策:
- 可能であれば「5端子法(ガード端子付き)」のケーブルを使用し、シールドを適切に接地します。
- 測定リードをできるだけ短く、かつ動かさないように固定します。
- 手を離した状態で測定結果を読み取る(人の体による静電結合を防ぐ)ことも有効です。
R4Rからの提案:正しい「道具」が安定への近道です
測定が安定しない原因が「機材のスペック不足」や「適切なフィクスチャの欠如」である場合、工夫だけでは限界があります。
R4Rでは、安定した測定環境を構築するための機材選定をトータルでサポートします。
- 高機能フィクスチャのセット提案:チップ部品用、リード部品用など、用途に最適化された純正フィクスチャが付属した中古LCRメータを多数取り揃えています。
- ハイエンド機の導入:「今のハンディ機では限界がある」と感じたら、KeysightやHiokiのデスクトップ型(4端子/5端子対応)へのアップグレードをご検討ください。中古なら、新品の数分の一のコストで「プロの測定環境」が手に入ります。
【まとめ】
LCR測定を安定させるコツは、「補正を丁寧に行うこと」、そして「測定条件を揃えること」に尽きます。
「どうしても値が定まらない」「今の機材で正しいのか不安だ」
そんな時は、ぜひ一度R4Rへご相談ください。お客様の測定対象に合わせた最適な機材をご提供いたします。

