EV・自動運転・5G開発に必要な計測器:最前線の開発現場で使われる機器と中古導入のメリット

パナソニック・三菱電機・ソニーの開発部門が使う計測器——R4Rが現場目線で整理

パナソニック・三菱電機・ソニーの開発部門が使う計測器——R4Rが現場目線で整理

自動車の電動化(EV)・自動運転(ADAS)・5G通信インフラの普及——この3つのトレンドは、計測器の需要を急速に拡大させています。

「新しい開発テーマが増えたが、必要な計測器がわからない」「既存の計測器では対応できない測定が出てきた」——R4Rにはこうした相談が電機メーカー・Tier1サプライヤー・研究所から多く寄せられています。本記事では3つの開発領域それぞれで必要な計測器を整理します。

1|EV・パワーエレクトロニクス開発

なぜ計測器の要求が高まるのか

EVの駆動システムはインバータ・コンバータ・バッテリーマネジメントシステム(BMS)で構成されます。数百V・数百Aの高電圧・大電流を高速スイッチングするため、従来の低電圧電子機器の評価とは次元が異なる測定が必要です。

EV開発で必要な計測器

計測器用途選定ポイント
高帯域オシロスコープインバータのスイッチング波形・ゲート信号の確認帯域幅500MHz〜1GHz以上・高電圧差動プローブ対応
パワーアナライザモータ効率・入出力電力の精密測定高調波解析・高電圧入力対応
電子負荷装置バッテリーの充放電試験・BMSの評価大電力対応(kWクラス)・定電流/定電力モード
データロガー走行中の温度・電流・電圧の長時間記録多チャンネル・耐振動・車載対応
LCRメータ/インピーダンスアナライザバッテリーセルの内部抵抗・インピーダンス特性広帯域・高精度

バッテリー評価に特化した電子負荷装置の使い方はバッテリー評価で失敗しない電子負荷装置の活用術で詳しく解説しています。またオシロスコープの帯域幅選定についてははじめてのオシロスコープ選び:帯域幅とサンプルレートの正しい関係もご参照ください。

2|自動運転(ADAS)開発

なぜ計測器の要求が高まるのか

自動運転システムはカメラ・LiDAR・ミリ波レーダー・超音波センサーを組み合わせて周囲を認識します。これらのセンサーとECU間の通信にはCAN・CAN FD・Ethernetなどの車載ネットワークが使われ、リアルタイムで大量のデータが飛び交います。従来の自動車電装評価に加えて、高速通信・信号完全性の評価が必須になっています。

ADAS開発で必要な計測器

計測器用途選定ポイント
MSO(ミックスドシグナルオシロスコープ)CAN/LIN/FlexRayのバス信号デコード・タイミング解析車載プロトコルデコード機能・4ch以上
ベクトルネットワークアナライザミリ波レーダーアンテナの特性評価77GHz帯対応(自動車レーダー周波数)
データロガー(車載型)実走行データの収集・センサーフュージョン評価GPS同期・CAN入力・耐環境性
サーモグラフィーECU・センサー基板の発熱分布確認高解像度・高感度(NETD<50mK)
スペクトラムアナライザ車載レーダー・無線ノイズのEMC評価広帯域・EMI測定機能

データロガーとオシロスコープの使い分けについてはデータロガーとオシロスコープの違い:長時間記録が必要な現場での選び方もご覧ください。サーモグラフィーの選び方についてはHikMicroとFLIRのサーモグラフィー比較も参考になります。

3|5G通信インフラ・デバイス開発

なぜ計測器の要求が高まるのか

5Gは4Gと比較して使用周波数が大幅に高くなり(Sub-6GHz・ミリ波)、信号帯域幅も最大400MHz〜1GHzと広がりました。これにより従来の計測器では対応できない評価が増え、ハイエンドなスペクトラムアナライザ・ベクトル信号発生器が必要になっています。

5G開発で必要な計測器

計測器用途選定ポイント
シグナルアナライザ5G NR信号のEVM・ACLR測定解析帯域幅100MHz以上・3GPP対応
ベクトル信号発生器5G NR試験信号の生成・受信機評価広変調帯域・OFDM対応
ネットワークアナライザ5Gアンテナ・フィルタのSパラメータ評価周波数範囲20GHz〜(FR2は67GHz以上)
パワーメータ送信電力の絶対値測定・アンテナ校正広帯域センサー・ピーク電力対応

5G開発の計測器構成の詳細は5G・無線開発の現場で必要な計測器セット:中古で賢く揃える方法で詳しく解説しています。スペアナとネットアナの使い分けはいまさら聞けない!スペクトラムアナライザとネットワークアナライザの違いもご覧ください。

3領域に共通する計測器

EV・自動運転・5Gの開発現場に共通して必要な計測器があります。

  • オシロスコープ:あらゆる電気信号の波形確認に不可欠。領域を問わず開発の基盤となる計測器
  • マルチメータ:電圧・電流・抵抗の基本確認。すべての開発現場に必須
  • 直流安定化電源:試作回路・ECU・モジュールへの安定した電源供給
  • 校正済み計測器:品質保証・認証取得のためにはJCSSまたはISO17025校正が必要

校正証明書の詳細は中古計測器を購入する際の校正証明書とは?よくある疑問にQ&Aで回答をご参照ください。

中古計測器で開発コストを最適化する

EV・自動運転・5G開発は計測器への投資が大きくなりがちです。R4Rでは中古計測器の活用により、開発予算を大幅に最適化できます。

メリット内容
コスト削減新品の30〜60%程度で同等性能を確保。浮いた予算をソフトウェア・治具に回せる
即納対応新品は半導体不足で納期6ヶ月超のケースも。在庫品なら最短数日で納品
複数台の調達同一予算でより多くの測定点をカバーできる
試験導入から本格導入へまず中古で試してから新品ハイエンド機に移行するステップアップ活用

中古計測器の導入メリット・デメリット全般は中古計測器を購入するメリット・デメリットとは?で整理しています。

R4Rの取扱製品(開発領域別)

まとめ:領域別・必須計測器

  1. EV開発:高帯域オシロ・パワーアナライザ・電子負荷装置・データロガー・LCRメータ
  2. 自動運転(ADAS):MSO・ベクトルネットアナ・車載データロガー・サーモグラフィー・スペアナ
  3. 5G開発:シグナルアナライザ・ベクトル信号発生器・ネットアナ・パワーメータ
  4. 3領域共通:オシロスコープ・マルチメータ・直流安定化電源・校正済み機器

「どの機器から揃えればいいかわからない」というご相談もR4Rまでお気軽にどうぞ。開発領域・測定項目・予算をお知らせいただければ最適な構成をご提案します。

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