見えない欠陥を発見。建築・住宅診断におけるサーモグラフィーの役割

報告書の説得力を高める、プロのための非破壊検査
雨漏り・断熱欠損・気密低下など、外観からは分からない欠陥を非破壊で可視化。現場での使い方、報告書づくりに役立つポイント、建築診断に適したカメラスペック、そして中古導入のビジネスメリットをR4Rが実務目線で解説します。
建物の「健康診断」を非破壊で
建築・住宅診断では、壁内の断熱欠損、見えない雨漏り、サッシの気密低下など、表面から判断できない不具合が課題になります。サーモグラフィーカメラは表面温度の微小な差を可視化し、非破壊で問題の所在を推定。報告書に画像を添えることで、顧客への説明の説得力も高まります。
お客様が直面する具体的な課題
- 原因不明の雨漏り:侵入経路の推定・局所化
- 断熱材の施工不良:欠損・充填ムラ・施工ミス
- 結露・カビの発生要因:露点付近の温度ムラの把握
- 外壁タイルの浮きリスク:広範囲を足場なしでスクリーニング
- 配管・床暖・配電の異常:漏水や過熱の早期発見
診断現場で重要なこと(プロの知見)
- 季節・時間帯:冬は暖房中、夏は冷房中や早朝/日没後が有利(温度差を確保)
- 太陽光・風の影響:外壁は直射・反射・蓄熱を避ける/風で表面温度が攪拌される点に注意
- 雨漏り調査の併用:散水試験や含水計と組み合わせて確度を上げる
- 記録の工夫:可視光と熱画像を同時保存し、温度スケールと注釈を加えると報告書が伝わる
建築診断でのサーモグラフィー活用フロー
ステップ | 内容 | ポイント |
---|---|---|
① 調査 | 外壁・室内・天井・床下などを撮影 | 季節/時間帯で温度差を確保。直射反射と風の影響を回避 |
② 解析 | 温度分布から異常箇所を推定(断熱欠損・雨漏り・結露ほか) | 可視光と比較。散水試験・含水計や他計測との併用で裏付け |
③ 報告書作成 | サーモ+可視光の並列表現と注釈で根拠を明示 | 温度スケール/測点/矢印を明記。改修提案へ接続 |
建築・住宅診断に適したカメラスペック
項目 | 推奨仕様 | 理由 |
---|---|---|
解像度 | 320×240px以上(外壁広域は640×480px推奨) | 広範囲でも細部を明確に観察 |
NETD(熱感度) | ≲ 50mK(0.05℃)目安 | 結露や断熱欠損など微細な温度差の検出 |
測定温度範囲 | –20℃~150℃程度 | 建物診断に必要十分なレンジ |
視野角/レンズ | 室内は広角25~45°、外壁は標準24~28°+望遠併用可 | 狭所の取り回しと遠距離観察の両立 |
画像記録 | 可視光+熱画像の同時保存(PIP/重畳対応) | 報告書の説得力と再現性を向上 |
使用カメラの選定早見表
用途 | 観察距離 | 必要温度差 | 推奨解像度 | 推奨NETD | 推奨視野角/レンズ | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
室内の断熱欠損・気密 | 1~4m | 約0.3~1.0℃ | 320×240px以上 | ≲ 70mK(望ましくは≲50mK) | 広角 25~45° | 冬の暖房/夏の冷房使用時にコントラスト確保 |
雨漏り・水漏れトレース | 0.5~3m | 約0.1~0.5℃ | 320×240px以上 | ≲ 50mK | 標準~広角 24~35° | 散水試験・含水計併用。可視光同時保存で報告書強化 |
外壁(タイル・モルタル) | 5~20m | 約0.3~1.0℃ | 640×480px推奨(最低320×240px) | ≲ 70mK | 標準 24~28°+必要に応じ望遠 | 直射・蓄熱の影響大。早朝/日没後がベター |
配電盤・床暖房・配管 | 0.3~2m | 約0.1~0.5℃(配電は更に小さい差) | 320×240px以上 | ≲ 50mK | 標準 24~35° | 安全距離を確保。床暖は予熱してから撮影 |
中古住宅の購入前診断(総合) | 0.5~10m | 約0.2~1.0℃ | 320×240px以上(余裕があれば640×480px) | ≲ 70mK(可能なら≲50mK) | 交換レンズ対応(広角/望遠)が便利 | 可視光同時保存・注釈機能でレポート効率化 |
中古導入のビジネスメリット(R4R)
- 初期投資を抑えて新サービス開始:雨漏り診断/断熱調査を事業化しやすい
- 差別化:高解像度・高感度モデルで競合より高精度な調査を提供
- 早期回収:導入費用が低く、少ない案件数で投資回収
- 実務に直結:R4Rはヒアリング→最適機提案→動作チェック/校正対応まで一気通貫
まとめ:非破壊で見えない欠陥に迫る
サーモグラフィーは、建物の健康診断における「非破壊の要」。適切な季節/時間帯の運用、可視光との併用、そして解像度・NETD・視野角を満たすカメラ選定で、診断の精度と報告書の説得力が大きく向上します。中古市場を活かせば、同予算でワンランク上の性能が狙えます。現場に最適な一台は、R4Rにご相談ください。
よくある質問(FAQ)
外壁はいつ撮影するのが最適?
早朝や日没後など直射と蓄熱の影響が少ない時間帯が最適。風が強い日は避け、安定した条件で撮影します。
解像度とNETD、どちらを優先すべき?
遠距離・広域観察が多い場合は解像度優先。結露・漏水・断熱の微小差を観るならNETD優先が基本です。
中古は校正やバッテリーが不安です
R4Rでは入荷時の動作チェックや校正対応、個体状態の明示を行います。納品後すぐに現場投入できる体制です。
最短で最適解に辿り着くなら:R4Rへご相談ください。
- 対象(戸建/集合/商業施設)、観察距離、必要温度差、運用環境、予算を共有
- 在庫からベストマッチを選定し、スペック根拠も提示
- 校正・保証オプションもまとめてご案内