リオン vs 小野測器|騒音計の選び方と中古品活用ガイド

現場担当者が迷いやすい2大ブランドを徹底比較

リオンと小野測器、2社の基本情報

リオン株式会社は、東京都国分寺市に本社を置く、音響・振動計測機器の専業メーカーです。1944年の創立以来、日本初の量産型補聴器を開発するなど、音に関する高い技術力を誇ります。計測器分野においては、JISやIECの厳格な規格に完全準拠した騒音計や振動計を多数開発しており、国内の環境騒音測定や工事現場におけるシェアはトップクラスです。製品の堅牢性と現場での扱いやすさに定評があり、官公庁から民間企業まで幅広いユーザーに支持されています。

小野測器株式会社は、神奈川県横浜市に本社を置く、回転・振動・音響のトータル計測機器メーカーです。1954年の創業以来、自動車産業を中心とした製造業向けの高精度な計測ソリューションを提供してきました。騒音計の分野においても、単なる音圧の測定にとどまらず、周波数分析やFFT解析、PC解析システムとの高度な連携を得意としています。研究開発、工場内の製品検査、設備の異常診断など、エンジニアリング視点での詳細な音響解析が求められるシーンで圧倒的な存在感を発揮しています。

両社ともに国内の音響計測市場を牽引するリーディングカンパニーであり、展開する騒音計はすべてJIS規格および国際規格に適合しているため、測定データの公的信頼性は同等です。しかし、それぞれの企業背景の違いから、製品の設計思想や得意とする測定環境には明確な差異が存在します。実務担当者は、両社の強みを把握した上で最適なブランドを選択する必要があります。

製品ラインナップ比較(騒音計)

リオンおよび小野測器が展開している主要な騒音計のラインナップは以下の通りです。測定目的(公的測定用のクラス1、一般管理用のクラス2)や必要とする分析機能に合わせて製品が分類されています。

階級・機能リオンの主な騒音計小野測器の主な騒音計
クラス2
(普通騒音計)
NL-42: 現場での使いやすさを追求した標準モデルLA-1410 / LA-1411: コストパフォーマンスに優れた積分形普通騒音計 LA-5560A: 操作ボタンを最小限に絞ったシンプル設計モデル
クラス1
(精密騒音計)
NL-52: 公的測定に対応する高精度標準モデル NL-53: USB出力機能を強化した最新クラス1モデルLA-7500: 環境騒音測定に特化した精密環境騒音計
クラス1
(高度分析機能付き)
NL-62: 低周波音(G特性)の測定に標準対応 NA-28: 1/1・1/3オクターブ実時間分析機能を標準搭載LA-3560 / LA-4440 / LA-4450: 大容量データロギングおよび高度なFFT周波数分析に対応

特徴・得意分野の違い

リオンの特徴

リオン製騒音計の最大の強みは、屋外の過酷な測定環境に耐えうる優れた「防滴・防塵性能」と「シンプルな操作性」にあります。現行のNLシリーズは、突然の降雨でも故障しにくい防水性能を備えており、24時間を超えるような屋外の長期間環境騒音測定においてトラブルを起こしません。また、大画面のカラー液晶と直感的なメニュー構成により、計測専門の技術者でなくても現場で迷わずに等価騒音レベル(LAeq)などの必須指標を確実に記録できます。さらに、同社の振動計(VMシリーズ)と共通の操作体系やデータ管理ソフトを採用しているため、現場での環境測定業務全般をリオン製品で統一することで、作業効率を劇的に向上させることが可能です。環境アセスメント、自治体による公的測定、建設工事の敷地境界管理において圧倒的なシェアを維持しています。

小野測器の特徴

小野測器製騒音計の強みは、音を単なる数値として捉えるだけでなく、その原因を特定するための「FFT分析・高度なデータロギング機能」および「PCシステムとの連携力」にあります。LAシリーズの上位モデルは、騒音計単体で高度な周波数分析を実行可能であり、発生している音がどの周波数帯で突出しているかをリアルタイムに可視化します。測定データはPCへ容易に転送でき、同社の豊富な解析ソフトウェアを組み合わせることで、音の発生源や伝播経路の特定が容易となります。この特性から、自動車の車内騒音評価、家電製品の静音化研究、工場の製造ラインにおける異音検知システムへの組み込み、さらには同社の振動計(VCシリーズ)と組み合わせた大型回転機械の設備異常診断など、製造業のインラインおよび研究開発分野で極めて高く評価されています。

選び方の判断基準

実務においてリオンと小野測器のどちらを選択すべきかは、測定を行う「目的」と「環境」によって明確に判断することができます。以下の基準表を参考に最適な機種を選定してください。

測定用途・シーン推奨メーカー選定の理由
環境アセスメント・屋外測定リオン高い防滴性能を誇り、屋外での長期連続測定における安定性と、現場担当者が扱いやすいシンプルな操作性を持つため。
工場内作業環境測定リオン労働衛生管理に必要な等価騒音レベル(LAeq)の測定が容易であり、現場への持ち運びやタフな運用に適しているため。
設備診断・振動と併用小野測器同社のVCシリーズ等の振動計と組み合わせることで、回転機械のベアリング異常や軸ブレなど、音と振動の両面から設備の状態を的確に診断できるため。
データ解析・PC連携小野測器PCへの大容量データ転送および、専用ソフトウェアを用いた詳細なトレンド管理・レポート作成機能が極めて充実しているため。
研究開発・高精度分析小野測器騒音計単体でのFFT分析やオクターブ分析機能の選択肢が豊富であり、製品の静音化設計や異常音の周波数特定に強みを持つため。

価格帯の比較(新品・中古)

騒音計の導入コストは、測定精度を決定するクラス(階級)および分析機能の有無によって大きく変動します。新品で導入する場合、JIS規格に適合したクラス2(普通騒音計)の標準モデルであれば15万円から30万円前後が目安となります。これが公的測定や環境アセスメントに必須となるクラス1(精密騒音計)や、オクターブ分析機能、FFT分析機能を備えた上位モデルになると、本体および周辺アクセサリを含めて30万円から80万円前後の費用が必要となり、企業の設備投資において大きな負担となります。

この導入コストを最適化するための極めて有効な手段が、中古計測器の活用です。信頼できるルートから流通する中古騒音計であれば、新品価格の40%から60%程度という大幅に抑えられた予算で導入が可能となります。騒音計は精密機器であるため中古品の精度を懸念されるケースもありますが、公的機関やメーカーによる「校正証明書」および「試験成績書」が付随している個体、あるいは定期的な検定・校正をクリアしている個体であれば、新品と全く変わらない測定精度と法的有効性を担保できます。特に、リオンのNLシリーズや小野測器のLAシリーズといった国内定番モデルは、中古市場でも流通量が安定しており、アクセサリ類や交換用マイクなどの消耗品の入手性も高いため、中古導入によるリスクが非常に低いというメリットがあります。

R4Rの取扱事例

中古計測器専門店のR4Rでは、リオンおよび小野測器製の実務用騒音計を厳選して取り揃えています。すべて動作確認済みであり、校正手続きのご相談も承っています。現在の主なラインナップは以下の通りです。リンクより最新の在庫状況をお問い合わせください。

リオン(RION)騒音計ラインナップ

小野測器(ONO SOKKI)騒音計ラインナップ

まとめ

  • リオンは「現場・屋外測定」に強み: 優れた防滴・防塵性とシンプルな操作設計により、環境アセスメント、工事敷地境界、作業環境測定などの実地計測において圧倒的な信頼性を誇ります。
  • 小野測器は「解析・システム連携」に強み: 高度なFFT周波数分析機能やPC連携ソフトが充実しており、自動車や家電などの研究開発、工場の製造ライン監視、機械の設備異常診断に最適です。
  • 測定データの信頼性は同等: 両社ともJIS・IEC規格に完全準拠しているため、要求される精度クラス(クラス1またはクラス2)を正しく選定すれば、測定データの公的価値に差はありません。
  • 中古品の活用でコストを大幅削減: 導入コストが高額になりやすいクラス1機器や分析機能付きモデルも、校正証明書付きの確かな中古品を選定することで、予算を新品の半額程度に抑えながら確実な測定体制を構築できます。

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中古計測器の選び方全般については 中古計測器の選び方・買い方 完全ガイドもあわせてご覧ください。