電源評価に必須!電子負荷装置の動作モード(CC・CV・CR・CP)の使い分けを解説

「とりあえずCCモードで」は間違い——測定目的で変わる4つの動作モードの正しい選択
「電子負荷装置のCC・CV・CR・CPって何が違うの?」
「バッテリー評価にはどのモードを使えばいい?」
「電源のリップル測定とCCモードはどう関係する?」
電子負荷装置は「電流を流す装置」という理解だけでは使いこなせません。4つの動作モードを正しく理解することで、測定の精度と再現性が大幅に向上します。R4Rでは電源メーカー・EV開発・研究所の担当者からこうした相談を多くいただきます。本記事では4つの動作モードの違いと用途別の使い分けを整理します。
バッテリー充放電試験への具体的な活用はバッテリー評価で失敗しない電子負荷装置の活用術:充放電試験の実務ポイントもあわせてご覧ください。
電子負荷装置の4つの動作モード:一覧
| モード | 何を一定にするか | 電圧が変わると | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| CC(定電流) | 電流を一定に保つ | 消費電力が変化する | バッテリー放電・電源の電流応答評価 |
| CV(定電圧) | 負荷両端電圧を一定に保つ | 電流が変化する | 充電器評価・定電圧動作の確認 |
| CR(定抵抗) | 負荷抵抗値を一定に保つ | 電流も比例して変化 | 抵抗負荷のシミュレーション・電球代替試験 |
| CP(定電力) | 消費電力を一定に保つ | 電流が逆比例して変化 | 太陽光IVカーブ・最大電力点追従(MPPT)評価 |
Q. CCモード(定電流)はどんな場面で使いますか?
A. 最も基本的なモードです。一定の電流を流しながら電圧変化を観測する場面で使います。
代表的な用途
- バッテリー放電試験:一定電流で放電させ、電圧がどう変化するかを記録(放電特性曲線の取得)
- 電源の負荷変動応答評価:一定電流を流した状態で電源出力電圧の安定性を確認
- 過電流保護(OCP)試験:電流を徐々に増やして保護回路が正しく動作するか確認
注意:CCモードでは電圧が下がると消費電力も下がります。バッテリーの実際の使用環境(スマートフォン・EV等)は電力がほぼ一定なのでCPモードに近い挙動です。用途に応じてモードを選ぶことが重要です。
Q. CVモード(定電圧)はどんな場面で使いますか?
A. 充電器・コンバータの評価に使います。
代表的な用途
- 充電器の定電圧充電評価:Li-ionバッテリーのCV充電フェーズ(満充電近くで電圧一定・電流が減少する動作)の再現
- コンバータの出力特性評価:出力電圧を固定して電流制限動作を確認
直流安定化電源のCV・CC動作モードとの関係は直流安定化電源の選び方:定電圧・定電流・出力ワット数を正しく理解するもご参照ください。
Q. CRモード(定抵抗)はどんな場面で使いますか?
A. 実際の抵抗負荷をシミュレーションしたい場面で使います。
代表的な用途
- 電球・ヒーターなど抵抗性負荷のシミュレーション:実際の抵抗器を使わずに電子的に抵抗を再現
- 電源の入力インピーダンス特性の評価:特定の抵抗負荷における電圧降下を確認
- LED・照明回路の評価:動的な抵抗変化を伴う負荷の評価
Q. CPモード(定電力)はどんな場面で使いますか?
A. 太陽光発電の評価と、実際の電子機器の消費電力シミュレーションに使います。
代表的な用途
- 太陽光パネルのIVカーブ測定:負荷を変化させながらパネルの電圧-電流特性を取得。MPP(最大電力点)の確認に不可欠
- スマートフォン・IoTデバイスの電力消費シミュレーション:実際の消費電力パターンに近い負荷を再現
- MPPT(最大電力点追従)コントローラの評価
インピーダンスとIVカーブの関係についてはいまさら聞けない「インピーダンス」とは?抵抗との違いをスッキリ解説もあわせてご覧ください。
動的(ダイナミック)モードについて
上記の4モードに加えて、多くの電子負荷装置はダイナミックモードを搭載しています。
ダイナミックモードとは、2つの電流値・電圧値・抵抗値の間を高速で切り替えることで、電源の過渡応答性能を評価するモードです。
- 電源の負荷急変応答試験:負荷が急に増減した際に出力電圧がどれだけ変動するか(リップル・スパイク)
- スイッチング電源の安定性評価:発振・不安定動作の検出
用途別:動作モードの選択まとめ
| 評価対象 | 推奨モード | 理由 |
|---|---|---|
| バッテリー放電特性 | CC | 定電流放電で電圧変化を記録 |
| Li-ion充電器のCV充電評価 | CV | 満充電近くの定電圧充電を再現 |
| 抵抗負荷のシミュレーション | CR | 電圧に比例した電流で抵抗を再現 |
| 太陽光IVカーブ・MPPT評価 | CP | 定電力で最大電力点を追従 |
| 電源の負荷急変応答 | ダイナミック | 高速切替で過渡応答を評価 |
R4Rの取扱製品
R4Rでは以下のメーカーの中古電子負荷装置を取り扱っています。
- 菊水 取扱一覧(PLZシリーズ・PCZ700Sなど)
- Keysight 取扱一覧(N3300シリーズなど)
まとめ:4つの動作モードの使い分け
- CC(定電流):バッテリー放電・電源の電流応答評価の基本
- CV(定電圧):充電器のCV充電フェーズ・コンバータ評価
- CR(定抵抗):実際の抵抗負荷のシミュレーション
- CP(定電力):太陽光IVカーブ・実機の消費電力シミュレーション
- ダイナミック:電源の過渡応答・負荷急変試験
「どのモードで、どのメーカー・機種を選べばいいか」というご相談もR4Rまでお気軽にどうぞ。


