振動計の選び方入門:加速度・周波数・設置方法の基本を解説

「振動を測る」とはどういうことか——計測の3要素と機種選定の基準

「設備の異常を振動で検知したいが、何を測ればいいかわからない」

「振動計と加速度センサーはどう違うのか」

「周波数分析が必要と言われたが、どんな機器を選べばいいか」

R4Rでは製造業・建設業・研究所の担当者から振動計の選定に関する相談を多くいただきます。本記事では振動計の基礎から機種選定の基準まで整理します。

振動計とは何か

振動計は、機械・構造物・地盤などの振動を定量的に測定する計測器です。振動の大きさを数値化することで、設備の異常検知・品質管理・騒音振動規制への対応などに活用されます。

振動は3つの物理量で表されます。

物理量単位主な用途
加速度(Acceleration)m/s²、G高周波振動・衝撃の評価
速度(Velocity)mm/s回転機械の振動評価(ISO規格準拠)
変位(Displacement)μm、mm低周波・大振幅の振動評価

どの物理量を測定するかは用途によって変わります。回転機械の設備診断では速度(mm/s)がISO規格で定められた基本指標です。

Q. 加速度センサーと振動計はどう違いますか?

A. 加速度センサーは振動を検出する「センサー(検出器)」で、振動計はセンサーと信号処理・表示機能を組み合わせた「計測器(システム)」です。

  • 加速度センサー単体:データロガーや専用アンプと組み合わせて使用。多チャンネル・長時間記録に対応しやすい
  • ハンドヘルド型振動計:センサー内蔵または別体センサー接続。現場でその場で測定・表示できる
  • 振動アナライザ:FFT解析機能内蔵。周波数成分を分析して異常周波数を特定できる

選び方の3つの基準

基準1|測定周波数範囲

何Hzまでの振動を測定するかが最重要スペックです。

用途必要な周波数範囲
低速回転機械(ポンプ・ファン)1Hz〜1kHz程度
高速回転機械(モータ・タービン)10Hz〜10kHz程度
衝撃・打撃試験〜20kHz以上
建築・地盤振動0.1Hz〜100Hz程度

基準2|測定レンジ(最大測定値)

測定対象の振動レベルに合わせたレンジを選びます。大型設備の振動は小型機器より桁違いに大きいことがあります。レンジが不足すると飽和して正確に測定できません。

基準3|出力・インターフェース

  • 表示のみ:ハンドヘルド型。現場での手軽な確認に適する
  • データ記録機能付き:時系列データの蓄積・傾向管理に対応
  • アナログ出力(BNC・4-20mA):制御システムやデータロガーへの接続
  • USB/LAN:PCへのデータ転送・解析ソフトとの連携

振動計の種類と用途

種類特徴向いている用途
ハンドヘルド型振動計携帯性が高い・即時測定現場巡回点検・設備の異常確認
振動アナライザ(FFT)周波数分析が可能異常周波数の特定・原因究明
データロガー型長時間連続記録設備の傾向管理・稼働中監視
騒音・振動複合計騒音と振動を同時測定環境アセスメント・工事現場

騒音と振動を同時に測定する用途については等価騒音レベル(LAeq)とは?騒音計の選び方と現場での活用法もあわせてご覧ください。

用途別チェックリスト

設備点検・回転機械の異常検知

  • 速度(mm/s)測定に対応しているか(ISO 10816準拠)
  • 測定周波数範囲が対象機械の回転数をカバーしているか
  • ピーク値・実効値(RMS)の両方を測定できるか

建設工事・環境振動の測定

  • 振動規制法・地盤振動の測定に対応しているか(鉛直振動レベルLv)
  • JIS C 1510(振動レベル計)に準拠しているか
  • データ記録機能があるか(工事前後の比較記録)

研究・開発での振動試験

R4Rの取扱製品

R4Rでは以下のメーカーの中古振動計を取り扱っています。

振動計本体の在庫については型番・用途をお知らせください。R4Rが在庫確認・お見積もりを対応します。

まとめ:振動計選びの3つの基準

  1. 測定周波数範囲:対象機械・設備の周波数帯をカバーしているか
  2. 測定レンジ:対象振動レベルに対して余裕があるか
  3. 出力・インターフェース:記録・解析・制御システムとの接続要件

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