光スペクトラムアナライザの選び方|波長範囲・分解能・用途別のポイント|R4R

「波長が合っているのにスペックが通らない」——OSA選びで見落としがちな3つの数値
「波長はシステム仕様に合っているのに、なぜかSNRが規格値を下回る」
「WDM信号の各チャンネルパワーをまとめて確認したい」
「レーザーダイオードのサイドモード抑圧比(SMSR)を正確に測りたい」
これらはすべて光スペクトラムアナライザ(OSA:Optical Spectrum Analyzer)で対応できる計測です。R4Rでは光通信システムの開発・評価・保守を担う企業からOSAの選定相談をいただきます。本記事では選定に必要なスペックの読み方と用途別の選び方を整理します。
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Q. 光スペクトラムアナライザとは何ですか?
A. 入力された光信号の波長(または周波数)ごとのパワー分布をグラフ表示する計測器です。横軸が波長(nm)、縦軸がパワー(dBm)のスペクトル表示により、複数波長が多重化されたWDM信号の各チャンネルパワーやSNRを一目で把握できます。
| 測定項目 | 何がわかるか | 主な用途 |
|---|---|---|
| チャンネルパワー・SNR | WDM各チャンネルの強度・雑音比 | WDM伝送システム評価・保守 |
| サイドモード抑圧比(SMSR) | レーザーの単一モード純度 | レーザーダイオード特性評価 |
| ASEスペクトル | 光増幅器(EDFA)の自然放出光 | EDFA評価・設計 |
| 中心波長・スペクトル幅 | 光源の波長精度・線幅 | 光源モジュール検査 |
選定で見落としがちな3つのスペック
- 波長分解能(nm):隣接する2つの波長ピークを分離できる最小間隔。WDM信号(チャンネル間隔0.8nm・0.4nmなど)を評価するには0.02nm以下が必要。単一レーザーの粗い評価なら0.1nm程度でも十分なことが多い。
- ダイナミックレンジ(dB):強い信号に隣接する弱い信号を識別できる能力。WDMのチャンネル間クロストーク評価には60dB以上が望ましい。SMSRの正確な測定にも高ダイナミックレンジが必要。
- 波長確度(nm):表示波長の絶対誤差。WDMシステムのITUグリッド管理では±0.01nm以下の精度が求められるケースがある。経年劣化で波長確度が低下することがあるため、中古機の購入時は校正状態の確認が重要。
スペクトラムアナライザの基本についてはスペクトラムアナライザの選び方(RF計測器版)もあわせてご参照ください。
用途別の選び方
- WDM伝送システムの評価・保守:Cバンド・Lバンドをカバーし、波長分解能0.02nm以下・ダイナミックレンジ60dB以上の機種が基本。YOKOGAWAのAQ6370シリーズ、安藤電気のAQ6317シリーズが代表的。
- レーザーダイオード・モジュールの特性評価:SMSR測定には高ダイナミックレンジが必須。Anritsu MS9740シリーズは半導体レーザー評価で実績が多い。
- 研究・開発用途(広波長帯域):可視光から近赤外まで幅広くカバーする機種が必要。ADVANTESTのQ8384など広波長対応モデルは中古市場での需要が高い。
- 現場保守・省スペース用途:ハンドヘルド型・コンパクトモデルは携帯性に優れ、局内での簡易チェックに向く。精度より利便性を優先する場面に適している。
用途別チェックリスト
WDM伝送システム開発・評価
- 波長分解能0.02nm以下に対応しているか
- ダイナミックレンジ60dB以上か
- CバンドとLバンドを両方カバーしているか
レーザーダイオード・光源モジュール評価
- SMSR測定に必要なダイナミックレンジがあるか
- 測定対象の波長帯(可視光・近赤外)をカバーしているか
- ピーク波長・中心波長の自動解析機能はあるか
中古機の購入前確認
- 波長校正の実施時期を確認したか
- GPIBやUSB・LANなどのインターフェースは現在の環境と合っているか
- 測定ソフトウェアのバージョンと互換性は問題ないか
中古OSAの導入メリット
OSAは精密光学系を内蔵するため新品価格が高く、中古品の活用でコストを大幅に抑えられます。
- 高額機器を低コストで導入:新品で数百万円のモデルが中古で大幅に安くなるケースがある。
- 廃盤機種にも対応:安藤電気(ANDO)など旧メーカーの高性能機種もR4Rのネットワークでお探しします。
- 校正証明書の手配も相談可能:購入後の校正対応についてもご相談ください。校正証明書については中古計測器の校正証明書とは?購入前のQ&A7選もご参照ください。
まとめ:光スペクトラムアナライザ選びの基本
- 用途を先に決める:WDM評価・レーザー評価・研究用で必要なスペックが全く異なる
- 波長分解能は測定対象のチャンネル間隔に合わせる:WDMなら0.02nm以下が基本
- ダイナミックレンジはSMSRやクロストーク評価で重要:60dB以上を目安にする
- 中古機は波長確度の校正状態を必ず確認する:経年劣化で精度が低下することがある
「用途を伝えれば必要な機種を提案してほしい」というご相談もR4Rまでお気軽にどうぞ。
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中古計測器の選び方全般については中古計測器の選び方・買い方 完全ガイドもあわせてご覧ください。


