いまさら聞けない!スペクトラムアナライザとネットワークアナライザの違い:用途・測定原理・選び方を解説

信号を見るスペアナ vs 伝わり方を測るネットアナ ― 用途と役割を徹底比較

信号を見るスペアナ vs 伝わり方を測るネットアナ ― 用途と役割を徹底比較

「スペアナで確認できると思っていたが、ネットアナでなければわからなかった」——現場の勘違いをなくす使い分けガイド

「スペアナとネットアナって何が違うの?」

「どちらを導入すればいい?」

どちらも「周波数」に関わる計測器なので似た印象を持たれがちですが、測定できる対象も得意な分野も全く異なります。R4Rでは研究所・電機メーカー・通信機器メーカーからこの質問を多くいただきます。本記事では2つの違いと用途別の選び方を整理します。

Q. スペクトラムアナライザとネットワークアナライザの違いは何ですか?

A. 一言で言うと「信号を見る装置」と「信号の伝わり方を測る装置」の違いです。

項目スペクトラムアナライザ(スペアナ)ネットワークアナライザ(ネットアナ)
何を測るか外部から入力された信号の周波数成分・強度自ら信号を出して部品・回路の伝送・反射特性
測定の方向受動的(信号を受けて測定)能動的(信号を出して応答を測定)
出力するもの周波数スペクトル(横軸:周波数・縦軸:レベル)Sパラメータ(S11・S21など)・インピーダンス
わかりやすい例えグラフィックイコライザ(どの音域が強いか)トンネルに向かって叫んで響きを測る
主な用途EMI測定・ノイズ解析・変調信号解析アンテナ・フィルタ・ケーブルの特性評価
価格帯(中古)数十万〜数百万円数十万〜数百万円(ハイエンドはより高額)

スペクトラムアナライザ(スペアナ)とは

スペアナは外部から入力された信号を周波数ごとに分解して強度を表示する装置です。音楽プレイヤーの「グラフィックイコライザ」のように、どの周波数が強く出ているかを可視化します。

スペアナが活躍する場面

  • EMI測定:通信機器・電子機器が規制値以上の不要電波を出していないかを確認
  • ノイズ解析:電源回路・基板に混入するノイズの周波数成分を特定
  • 変調信号の解析:AM/FM/OFDMなどの変調信号のスペクトル純度を確認
  • 5G・無線開発:送信信号のALCR・スプリアス測定

スペアナの選び方(周波数範囲・ダイナミックレンジ・位相雑音)についてはスペクトラムアナライザの選び方:周波数範囲・ダイナミックレンジ・位相雑音を用途別に解説で詳しく解説しています。

ネットワークアナライザ(ネットアナ)とは

ネットアナは自ら信号を出して、部品・回路がその信号をどのくらい通過させるか(伝送)・反射させるかを測定する装置です。「声をトンネルに向かって叫んで、どれくらい響くか・奥まで届くか」を測る感覚です。

ネットアナが活躍する場面

  • アンテナのVSWR測定:反射の度合いを確認。50Ωマッチングの評価に必須
  • フィルタ・ケーブルの伝送特性評価:どの周波数でどれだけ減衰するかを確認
  • 高周波回路のインピーダンス特性確認:部品の等価回路・共振特性の解析
  • 5Gアンテナ・ミリ波デバイスの評価:Sパラメータの周波数特性

インピーダンスとSパラメータの基礎についてはいまさら聞けない「インピーダンス」とは?抵抗との違いをスッキリ解説もあわせてご覧ください。

Q. どちらを選べばいいですか?

A. 「何を確認したいか」で決まります。

やりたいこと必要な機器
機器から出ている電波のノイズを確認したいスペアナ
EMC試験(CISPR規格対応)をしたいスペアナ(EMIレシーバ機能付き)
アンテナの反射特性・VSWR を測定したいネットアナ
フィルタ・ケーブルの周波数特性を評価したいネットアナ
5G信号のEVM・ACLRを測定したいスペアナ(シグナルアナライザ)
5Gアンテナ・ミリ波部品のSパラメータを評価したいネットアナ

EMC試験全体の計測器構成についてはEMC試験に必要な計測器は?必須機器リストと選び方、5G開発での使い分けは5G・無線開発の現場で必要な計測器セットもご参照ください。

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中古スペクトラムアナライザ

中古ネットワークアナライザ

まとめ

  1. スペアナは「信号を見る」:外部信号の周波数成分・レベルを受動的に測定。EMI・ノイズ・変調解析に
  2. ネットアナは「伝わり方を測る」:自ら信号を出して伝送・反射特性を能動的に測定。アンテナ・フィルタ・インピーダンス評価に
  3. 「何を確認したいか」で選ぶ:両方必要なケースも多い

「用途を伝えればどちらが必要か判断してほしい」というご相談もR4Rまでお気軽にどうぞ。

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